ブログ 2011/06/14

完璧の功罪

「完璧」を求めると、人は孤独になる。
       
相手にそれを求めると、ロクなことはない。
失望で傷つくことになる。
または、リアクションで相手を傷つけてしまう。
      
自分に求めると…。
少なくとも私にはそんな根性はない。  
  
しかし、求めないと、今よりも高みには上れない。
そのことは経験で知っている。
     
完璧な企画。
完璧なコピー。
完璧なストーリーボード。
完璧なプレゼン。
完璧な仕上がり。
         
人は、手に入れられないものは、この世にないものとする。
   
                
先週のことだ。
期待した通りに次々と物ごとが運び、
出会う人々も、起こる出来事もすべてが素晴らしい完璧な一日があった。  
   
そして、フィナーレの後半のエンディングの大詰めの最後のボタンのところで、
自分の愚かな言動がそれを台無しにしてしまった…。


やはり、完璧はこの世にない。    

     
改めて「この世にないフリ」をして生きるつもりだったのに、
この数日間、あの日の高揚感がよみがえり、
心の中がザワザワとして落ち着かない。
   
自分に対して、ちょっと根性を出してみたい。
     
最後のボタンを、今度はとめてみたい。 

ブログ 2011/05/25

データの先へ

広告制作の過程においては、データが大事にされる。
ともすると、クリエイティブの現場においても。
    
しかし、脳科学の発展により、
今までの調査マーケティングデータが
新しいデータによって覆される日がもうすぐ来るだろう。    
     
クリエイターに関していえば、
データを基に表現を説得している時点で、
その表現には大したパワーはない。
     
圧倒的に素晴らしいものは、一瞬にして相手を虜にする。
「好き」以外に、そのことを支持している明確な理由が言えない。 
      
「好き」か。
「嫌い」か。

での判断が、今のクリエイティブの現場ではもっと必要だ。
その感情を相手の中に生み出すことに、
クリエイティブを名乗る者の本当の価値、カタルシスがある。
    
実際、人間は、好き嫌いで、人生の多くのことを選択している。
それは、本能からの「自分らしく生きるため」のメッセージだ。
     
データの先へ。
有無を言わせず感じる「好きの境地」へ。

広告制作者としての技術をもっと高めたい。
 
制作者とクライアント。  
広告と生活者。
モノと人。
人と人。
関係性においては、シンプルな感情が一番強い。