ブログ 2011/12/23

少年

弊社17の入っているビルの一階には公文式の教室が入っており、
多くの小学生と保護者が出入りしている。
  
昨日の夕方、荷物を抱えて出張から戻って来た。
      
ちょうど、授業を終えた公文式のたくさんの子ども達が
手動式の扉を開けて出てきた。
  
出入口では出る人が優先なので、
次々と出て行く子ども達を扉の前で見ながら待っていた。

すると、一人の身体の小さな少年が全身で扉を押さえ、
「お先にどうぞ」と私にサインをした。
少年の気の利く、いや、思いやりのある行動に動揺した私は、
彼の頭上で扉を押さえ、「ありがとう。どうぞ」と、彼の先の退出を促した。
  
しかし、彼は無言のまま、「お先にどうぞ」を繰り返し、
先に出る気配がまったくない。
  
小学生にして、既にジェントルマン。
 
彼が扉を開けてくれている間に4名の小学生が、
彼に一言もかけず、そのまま出て行った。
       
「ありがとう。キミは優しいね。お先にどうぞ」と再び声を掛けた。
しかし、彼は無言のまま、「お先にどうぞ」を繰り返す。
      
品川駅でのオジさん(たぶんズラ)とオジさん(自毛)の綱引きを見た後だったので、
少年の「相手を思いやる心」に深く胸を打たれた。
          
号泣しながら、「ありがとう」と言い、先にビルに入れてもらった。
                
少年は、キラキラと光る満面の笑顔を見せた。

と書きたいところだが、  
少年は「当たり前だよ」と言わんばかりに、
無言で頷き、私と入れ違いに外へと出て行った。
   
明日の夜、
サンタさんが少年に素敵なプレゼントを持って来てくれることを
心から願っている。