ブログ 2012/07/27

泣くな大谷

高校野球、岩手県大会の決勝戦。

「20年に1人」と言われる逸材
花巻東の大谷投手が打たれた
レフトポール際の本塁打は
映像で見る限り、完全なファールだった…。
               
花巻東は2度も抗議をしたらしい。
審判絶対の高校野球ではとても珍しい光景だ。
                           
しかし、絶対権力を相手にしたら、
一度出た結果は、間違っていても、覆らない。   
      
この理不尽さに耐えるのも、
スポーツマンシップを学ぶための高校教育の一環なのだろう。
                         
甲子園で三振の山を築いていく彼を見たかったが、
猛暑の中での連投は肩を消耗し、
彼の投手生命を短くしたかもしれない。  
        
そう考えることにしよう。
               
泣くな大谷。
キミは、すごい投手になるだろう。
   
チームメイト、対戦チームの選手のほとんどが、
そう遠くない日に自らやめざるを得なくなる野球を
キミは世界最高の舞台に行って続けられるだろう。
              
キミの高校野球は終わったが、
キミの野球はこれからが本番だ。
            
人生は、一瞬激しく燃え上がることが大事ではない。
燃え続けることが大事だ。
                      
野茂、イチロー、松井を見るんだ。
  
夏は、また来る。
   
キミにも、キミを応援し続ける人たちにも。  
                    
               

ブログ 2012/07/03

テレ朝「ボーイズ・オン・ザ・ラン」

みなさん、はじめまして。
17のアートディレクターの栗塚と申します。

突然、松尾から「今回、会社のブログ書いてみない?」と提案があったので、
「はい!!」と条件反射の返事をしてしまい、書くことになりました。

簡単に自己紹介をします。
タマビの学生だった時に、オグルヴィ・クリエイティブスクールという
オグルヴィが開いている学生向けの広告スクールに入学し、
そこで広告に一目惚れした僕は、
そのままオグルヴィの社員として、広告人の道を歩み出しました。

そこで初めて松尾と知り合うことになります。
オグルヴィで、いろいろなCDの諸先輩方に広告の基礎と、
酒の飲み方を教わりながら広告幼少期を過ごしました。
 
6年目の今年、感受性豊かな広告思春期にさしかかったので、
17で新たなスタートを切ろうと思い、
広告への愛と覚悟が試される厳しい入社試験を受け、現在に至ります。
   
17で働き始めて、まだ4ヶ月程度しか経っていませんが、
ごく控えめに言って、1年くらい経ったような感覚です。
仕事の量が比べものにならないほど多く、どの仕事も100%全力でぶつかる。
どんなに時間が無くても、一切、手を抜きません。
今まで感じたことの無いようなスピード感の中で、毎日働いています。
僕は朝から深夜まで、松尾は朝から翌朝まで働いています。
「本当は全く同じ顔の松尾さんが2人いるんじゃないか…?」と
疑わずにはいられなくなります。(本当に)
 
そんなこんなで、17のADとしてがむしゃらにやっている中で、
先日、グラフィック単体の仕事を競合で勝ち獲ることができました。
先週末からいろんな交通媒体で掲載が始まったので、紹介させてください。
 
テレビ朝日の金曜ナイトドラマ(夜 11:15)

ブログ 2012/06/20

ミャンマー

シンガポールに住んでいた頃、
無差別級の柔道選手のような大柄な住み込みのお手伝いさんがいた。
サリーさんは、明るく、朗らかだった。
       
シンガポールには、
国が政策として出稼ぎを支援しているフィリピンの方、
インドネシアの方が多いのだが、彼女は珍しくミャンマー出身だった。 
            
国にお子さんを残しての出稼ぎで、
月に約3万円のお給料から実家へ仕送りをされていた。
それでも、現地の病院で働いた頃よりも
実家へ入れられるお金は多いと言っていた。
  
                    
2009年、我が家の帰国に伴い、彼女は次の家庭へ雇われた。
しかし、相性が合わず、すぐにミャンマーへ帰ったと聞いた。
       
「ビルマの竪琴」の印象しかないミャンマーだったが、
行ったことはないのに彼女のおかげでいい国のように思える。
イメージなんて、そういうものだろう。
日本のイメージも、きっと海を渡った先人たち個々人が
その国で生きていくために示した勤勉さがつくり出したものだ。              
      
あれから3年。
                    
中国の労働賃金の上昇に伴い、
民主化へと舵を切ったミャンマーへの日本企業の進出が現実味を帯びている。 
           
労働賃金が安く、また、仏教国ということもあり、
真面目な国民性が評価されているとのこと。
           
いつの日か、ミャンマーでの日本企業の広告キャンペーンをつくって、
彼女の国の経済発展に微力ながら貢献したい。
                     
最近、スーチーさんの報道に絡んでミャンマーが取り上げられる度に、
彼女の朗らかな笑顔を想い出し、広告と経済の幸せな関係を考えている。

ブログ 2012/06/12

巨人の四番

先日のプロ野球セパ交流戦でのこと。 
      
9回表に西武ライオンズに同点に追いつかれ、
迎えた9回裏の巨人の攻撃。
   
1アウト2塁。
この日3安打の坂本が敬遠された。
 
次は四番の村田だ。 
     
この日の村田は、前の3打席がすべて凡退で、
その雰囲気からして打てそうになかった。
ライオンズの策は順当だった。
     
しかし、村田はタイミングの合っていない空振りの後、
体勢を崩されながらも同じ球種をとらえ、サヨナラヒットを放った。
         
ヒーローインタビューでの朴訥な受け答えの中、
「前のバッターが敬遠されましたが、どんな気持ちでしたか?」
という質問に対して、
「巨人の4番を任せられていますから」 
と彼は発し、球場は湧いた。    
         
隣りのオジさんは号泣していた。
 
                
意地とプライド。 
 
                          
持ち過ぎると、柔軟性を欠き、扱いにくい人と評される。
そして、足りないと、言動に迫力を欠く。
        
見えないだけに、どれだけ持っていればいいのか。
その分量は難しい。   

ブログ 2012/06/09

前提

とある不便なスタジオに行くため、最寄り駅からタクシーに乗った。
料金は880円だった。
重い10円玉と別れたくて、千円札と一緒に合計1,080円を払った。 
8枚の硬貨と入れ違いに2枚の硬貨が戻ってくる計算だ。
       
「はい、20円のお釣りね」  
  
運転手さんは言った。

2枚の硬貨は合っていたので、  

「はい。ありがとうございました」 

と反射的に答えてしまった。
すぐに、 

「お釣りが違いますよ」

と言ったのだが、

「えっ?ちゃんと 20円ですよ」
  
と自身満々に返された。

「あっ!」
を期待していたので言葉を失った…。 
    
「…200円でしょ?」
 
「なんで?」
 
「なんでって、1,080円を支払ったから」

「だから、20円ですよ」 

「………」

ダメだ。  
お互いに暗算ができる前提の会話は成立しない…。   
 
スタッフが待っている。
気持ちよくスタジオに入るためには、
気持ちよくタクシーから降りたい。           

最近知った<第三の案>というものを使ってみた。 
   
「じゃあ、100円でいいですよ」 
    
「おたく、計算できないの?」
   
確かにそういうことになる。
 
               
最終的には、メーターを見ながら、
「この80円とあの80円で互いにチャラ」
「次に、この千円とあの800円で、お釣りは200円でしょ?」  
というやり取りで納得してもらった。
 
降り際に、
「ごめんね。てっきり、お客さんが千円を出したと思ってね」
と明るく言われた。 
                  
「その場合、120円です」と野暮なことは言わなかった。           
 
                  
前提は、初めての相手には通じない。   
大切なことを改めて学べた。