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ブログ 2012/02/08

広告の神様

CMの撮影現場には、時々、広告の神様が降りて来て、
想像を上回る、奇跡的な、素晴らしい映像が撮れることがある。　
　　　
昨日の現場には降りて来てくれた。　
　　　　　　　
しかし、本篇ではなく、出演者のコメント撮りの時だった。

それでも構わない。
それも、世に出るキャンペーンの一部だから。
　
アウェイの雰囲気に負けず、
嫌な顔ひとつせずに仕事に集中してくれた
コメント撮りのディレクターが神様を呼んでくれた気がする。
多謝。
　　　　　　　　　　　　　　　　
神様の仕業に出会うと、それまでの苦労が報われる。
この仕事をしていることへの感謝、喜びが込み上げてくる。　
そして、
もっと面白いものを作りたくなる。
　　
AM4:58。
朝からの長い撮影を終えて、
激しい雨が降る調布から乗り込んだタクシー。
その日に残された最後の力を振り絞り、
「目黒（めぐろ）方面へ」と滑舌良く発声し、
目を閉じ、幸せな気分に浸った。

そして、
「北池袋（きたいけぶくろ）方面へ」と聞き間違えたと主張する運転手さんが
私を見慣れぬ地へと運んでくれた。
　　　
「ろ」しか合っていないじゃないか。
　　　　　　　

ブログ 2012/02/06

約束

約束。　
　　　
どんな約束が最も強いのか。
　　　　
外資系の会社に転職して一番驚いたのが、
すべてのやり取りを証拠として残す姿勢だった。　　　　
メールは基本的に全保存。
クライアントとの会議後は、社内外にコンタクトレポートを提出。
見積もりも、提出するだけでなく、
承認のサインをもらうまで次の作業へ進めない。　　
（今では普通のことになった）
　　　　　　　　　
目からウロコであった。
実際、そのお陰で、問題が解決できたこともあった。　　
　
　　　　
さて、住宅に関して。
十数年前、政府は新築住宅に関して、
建築業者の瑕疵に関して「１０年間の保証義務」を決めた。

当時、住んでいた地元の工務店の親方が言った。

「我々は、地元で商売してるから、
　店がなくならない限り、一生涯、面倒見るのが当たり前です。
　今度の法律は、逆に、１０年間しか面倒見なくていいってことです。
　我々からすれば、国が無責任な建築業者を認めてるようなもんです」と。　
　　
　　　　　
結論。
ビジネスにおいては、やはり、書面における約束が一番強い。
これは西欧のビジネス文化だが、
この十数年間の大企業の不正の連鎖を見る限り、
日本で性善説はもう通用しない。
　　　　　　　　
そして、書面に記すことが一般的になったおかげで、
「書面にしない限り、約束を破っても大丈夫」と解釈する人が増えた。　　　　　
　　　　　　　　　　　　　
だから、人間関係においては、口約束が一番強い。
口約束を守る人が一番信頼できる。　　　　　　　　　　
これも性善説ではあるが…。　

ブログ 2012/02/01

風

快晴のロケ撮影だった。
しかし、記録的な強風だった。
　　　　　　　　
制作陣には大迷惑な風だったが、
海では「絶好のウインドサーフィン日和！」と
強風を満喫する人々がいた。
　　　　　　　　　　　
すべてのことにポジとネガが同居している。　
　　　　　　　　　　　　
自分がネガの方にいる場合、
ポジの存在に目をやると
世の摂理に気づき、少しは心が穏やかになる。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
先程、
結果待ちだった渾身の案が却下されたとの報が入る…。
　　　　　　　　　　　　　　
クッソー！
もっと良い案を出すチャンスが与えられたぞー！　

ブログ 2012/01/31

立場

皆、自分の立場から、自分の視野で発言する。主張する。
　　　　　
相手の立場になって話しができる人は少ない。
　　　　
さらに、
自分の利益にもなるように
相手の立場になって話しをすることは
経験と高度なスキルを要する。
　　　　　　　
昨日、とある人との打ち合わせで、
経験に裏打ちされた見事なスキルを味わった。
　　　　　　　　　
近江商人の「三方皆良し」が目の前で起きた。　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
人々は、こちらの姿勢を見抜く目と
ウソの言葉を聞き分ける耳を持っている。
　　　　　　　　　　　　
自戒のために、記しておきたい。

ブログ 2012/01/27

スプレーマン

スポーツジムの洗面所でのこと。
ずいぶんと長い間、

ブログ 2012/01/26

交差点

３日前のAM7:50頃。
　　　　
前夜の雪が凍った道路のせいで、５人の転倒を目撃。　　　　
３人は女子高生で、２人は中年ビジネスマン。
　　　
共通点は、全員が交差点だったこと。
周りの人は心配そうな視線を送り、転んだ本人だけが笑ったこと。　
バナナの皮が敷いてあると思うしかない見事な滑りっぷりだったこと。　　　　　
　
なぜか、女子高生は前方に転び、ビジネスマンは後方に転んだ。　
　　　　　　　　　　
通学していた大勢の小学生は誰一人転ばず。
走っている強者も数名。　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　
「雪に慣れていない東京の人は転びやすい」
というフレーズを報道でよく見聞きするが、あれはウソだ。

慣れていないのが原因なら、小学生が一番転ぶはず。
　　　　
きっと、慣れ、不慣れが主の原因ではない。
身体のバランスの問題か…。
精神の問題か…。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
道路も、人間も、交差点で事件は起きる。　

ブログ 2012/01/24

宣伝「手島葵さんの『瑠璃色の地球』」

日本生命「みらいサポート」のCM曲である
手島葵さんが歌った『瑠璃色の地球』が入った
emotional & relaxingアルバム『image（イマージュ）12』
が明日、発売されます。

ブログ 2012/01/22

宣伝『ラ・カージュ・オ・フォール』

仕事で起用した役者さんが出演している関係で、
ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』を観劇。
　　　　　　　　　　
徹夜続きの状態で臨んだため、寝てしまうかと思ったが、
眠気は吹き飛び、その世界観にのめり込んだ。
　　　　　　　　　　　　
「ありのままの自分を認める難しさ」
「自分らしく生きることの大切さ」
「自分のすべてを受け入れてもらえる人間関係の幸せ」
　　
エンディングで、
日本では珍しいスタンディングオベーションが起きた。
　　　　　　　　　
元々は舞台が大ヒットしたことから、
映画『Ｍｒ. レディＭｒ. マダム』が生まれ、
これがヒットしたからブロードウェイでミュージカルになり、
それがまた大ヒットしたから、
ロビン・ウィリアムス主演のリメイク版『バード・ゲージ』にもなったとのこと。　　　　　　　　　
　　　　
どちらの映画も若き日に観ていたのだが、
同じ話しだとは気付かなかった。
　　　　　　　
このテーマの深さを理解できる人生経験が足りなかったからだろう。　　　　　　　　　　　
　　　　
見ること、読むことは、理解することとは違う。
理解して、はじめて自分のものになる。　　　　　　　　　
改めて見返してみようと思う。
　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
観客の熱気といつまでも鳴り止まない拍手を聞いて、確信した。
　
「社会的メッセージを発信する広告が評価される時代が来る」
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　
日生劇場では２９日まで。
大阪、名古屋にも行くようです。
皆さま、是非ともご覧ください。　　　

ブログ 2012/01/12

田井中さん

電通の元専務であった田井中さんのお通夜で、京都に行った。
とても多くの方々が参列されており、改めて、その人徳を感じた。
　　　　　　　
私が電通を辞め、オグルヴィに移ってから、
田井中さんには何度か「電通に戻ってくるように」と声を掛けて頂いた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１年３ヶ月前、独立することが決まってからは、
電通での講演会を開催して頂いた。
　　　　　　　　　　　　
「これで電通とも仕事ができるようになるな」
　　　　　　
継続クライアントを何も持たずに独立し、
不安だらけの私にとっては、とても有り難く、心強い言葉であり、
事実、その後、電通からも仕事がきた。
　　　　　　　　　　　　　　
お祝いにと、高級寿司屋に連れて行ってくださった。
事務所開きの日に、ビンテージのドンペリを個人名で贈ってくださった。
　　　　　　　　
私だけでなく、田井中さんに「見られている」
と感じていた現役クリエイティブの人は多いはずだ。
　　　　　　　　　　
自分の仕事を「見られている」ことは、安心感を生む。
同時に、「恥ずかしいことをしたくない」という緊張感、
困難と戦う勇気を生む。
　　　　　　　　　　　　　
「見守る」
　　　　　
先輩が後輩へできる最高の指導だ。
　　　　　　　　
田井中さんからは、説教臭いことを言われた記憶はない。
でも、心に残ることは何度か言われた。
それらを、田井中さんの志を、ひとつでも受け継ぎたい。
　　　　　　　
田井中さん、心より御礼を申し上げます。
ゆっくりとお休みください。　
　　　　　　　　　
でも、天国で、後輩の仕事を見守っていてください。

ブログ 2011/12/28

笑おう！

広告に関して言えば、
自粛ムードを受けて
笑える表現が激減しただけではなく、
評価もされない残念な一年でした。

笑うことは免疫力を高めると
医学的にも実証されているのに…。　　
　　　　　　　
来年は、笑える広告が増えることを切に願います。
今の日本に必要なのは、
自分たちを「笑える余裕」だと思います。
　　　　　
この数年、落語の価値が評価され、ブームになっています。
先頃鬼籍に入った談志師匠は「落語は、人間の業の肯定」と定義しました。　　　
今は、失敗や、間違いが受け入れられない息苦しい社会を
皆が疑問に思いながら、皆で推進しています。

だから、落語を聞くと、人々は安心するのだと思います。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
来年は、人間の業を描くような広告をたくさん作って、
人間の抱える矛盾や、常識の不確かさを笑ってもらいたいと思います。　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
皆さま、健康に、事故なく、よいお年をお迎えください。

ブログ 2011/12/23

少年

弊社１７の入っているビルの一階には公文式の教室が入っており、
多くの小学生と保護者が出入りしている。
　　
昨日の夕方、荷物を抱えて出張から戻って来た。
　　　　　　
ちょうど、授業を終えた公文式のたくさんの子ども達が
手動式の扉を開けて出てきた。
　　
出入口では出る人が優先なので、
次々と出て行く子ども達を扉の前で見ながら待っていた。

すると、一人の身体の小さな少年が全身で扉を押さえ、
「お先にどうぞ」と私にサインをした。
少年の気の利く、いや、思いやりのある行動に動揺した私は、
彼の頭上で扉を押さえ、「ありがとう。どうぞ」と、彼の先の退出を促した。
　　
しかし、彼は無言のまま、「お先にどうぞ」を繰り返し、
先に出る気配がまったくない。
　　
小学生にして、既にジェントルマン。
　
彼が扉を開けてくれている間に４名の小学生が、
彼に一言もかけず、そのまま出て行った。
　　　　　　　
「ありがとう。キミは優しいね。お先にどうぞ」と再び声を掛けた。
しかし、彼は無言のまま、「お先にどうぞ」を繰り返す。
　　　　　　
品川駅でのオジさん（たぶんズラ）とオジさん（自毛）の綱引きを見た後だったので、
少年の「相手を思いやる心」に深く胸を打たれた。
　　　　　　　　　　
号泣しながら、「ありがとう」と言い、先にビルに入れてもらった。
　　　　　　　　　　　　　　　　
少年は、キラキラと光る満面の笑顔を見せた。

と書きたいところだが、　　
少年は「当たり前だよ」と言わんばかりに、
無言で頷き、私と入れ違いに外へと出て行った。
　　　
明日の夜、
サンタさんが少年に素敵なプレゼントを持って来てくれることを
心から願っている。　　　　

ブログ 2011/12/22

師走の新幹線その２

品川駅で降りようとした時だった。
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