ブログ 2023/12/02

lHIの企業CMで、日本初のテレビCMを企画制作!

IHI(旧・石川島播磨重工業)が
創業170年を迎えて、新企業CMをオンエア開始。 
   
日本初、
サイモン&ガーファンクルの不朽の名曲
「Bridge over troubled water(明日に架ける橋)」を
CMで使えました。
      
1970年の発表から53年間、
一度もCM使用許諾が下りなかった曲。
多くの企業、広告制作者が、
問い合わせをしては、即、断られ続けてきたので、
「この曲は絶対に使えないのだ」と
広告業界全体で諦めていたと思います。
私だけでも、
20数年間で6〜7回は問い合わせました。
    
今回、企画をしている時に、ふと、
「今なら許可が下りそう!」と予感がしたのです。
それは、確信に近い予感でした。
     
交渉にあたってくれた音楽プロデューサーが
「もしかしたら許諾が下りるかも」と
興奮した口調からの数週間後に、
「本当に許諾が下りました!」との決定の時には、
狂喜乱舞の様でした。 
  
それを聴いた私も、
一人阿波踊り、一人よさこい祭り、
一人浅草サンバカーニバルで、
一日中、ずっと踊っていました。  
   
鎖国していた江戸時代に
突如、黒船がやって来て、
西欧列強に対抗すべく
蒸気艦の造船から始まったIHI。
時代の声、社会の声に応えて、
どんどんと主力事業を変えて、拡張し続けて、
今は、宇宙ロケットの効率的な発射と運用、
CO2を減らす高性能の大型航空エンジン、
CO2の排出ゼロのアンモニア燃料発電など、
次の時代のスタンダードを次々とつくっています。
 
それは、170年間の技術と叡智の伝承があり、
それぞれの時代の技術者が、
毎日毎日、1歩1歩、技術を進化発展させてきたことの証です。  
 
なぜ今、亀が歩くだけの企画を見た
ポール・サイモンがOKしてくれたのか。
今のところ、明確な回答はなく。
しかし、きっと、
彼の中に明確な理由はあるはずです。 
   
いずれにせよ、
「日本初」に携われたことは、
とても有り難いことです。
    
企画に命を吹き込んでくれた制作陣に感謝。

ブログ 2023/11/17

17(ジュウナナ)は14年目へ

2010年11月17日に
創業した「株式会社17」は、
おかげさまで、
本日から14年目となります。
 
1つの仕事もないまま創業して、
4ヶ月目には東日本大震災が起こり、
すべての広告制作が止まりました。
テレビCMは、ACだらけになりました。
弊社も大打撃を受けました。
   
その頃、義理の父が亡くなり、
通夜の寝ずの番をしている時に、
普段はほとんど会話をしない
外科医の義弟が話しかけてきました。 

「長時間の手術が終わって帰宅して、
 テレビをつけてボーッと見たり、
 笑っていた時間が
 いかに自分の生活の中で
 大切だったかが、わかりました。
 ACの正論ばかりのCMだけを見せられるていると、
 息が詰まりそうになります…
 お兄さん、
 テレビにはCMが必要だったんですね。
 おもしろいCMをつくってくださいね」 
  
「それ、日本中の企業に聞かせてやってよ!」
と言いたかったのですが、
「わかった。おもしろいCMしかつくらないよ」
と答えました。 
 
広告は企業のもの。
しかし、世の中に出たら、
社会の一部にもなります。
だから、
広告は商業芸術であるべきです。 

生活の中に広告がある幸せをかみしめて、   
偉大な師匠、先輩たちから教えられたことを
これからも実践していきます。
 
何よりも、広告の企画制作の仕事は
楽しくて仕方ありません。

これからも17を、
よろしくお願い申し上げます。 

ブログ 2023/10/30

1点に泣き、1点に笑う

得点が1点、2点、3点、4点だから、
野球には「1点に泣く」というフレーズがあります。
好投手相手で点を取れなかった時、
乱打戦になって競り負けた時などに使われます。
 
ラグビーで、このフレーズが使われることはありません。    
ラグビーの得点は2点、3点、5点、7点で、
ゴールキックの2点はトライの5点とセットのため、
その計7点となります。
1点差ゲームになりにくい得点構造なのです。
 
ところがである。
今回のW杯で優勝した南アフリカは、
ベスト8(対フランス)、準決勝(対イギリス)、
決勝(対オールブラックス)の3試合を、
すべて1点差で勝ちました。
 
フランスは開催国で、悲願の初優勝がかかっており、
フランス国内のテレビ視聴率が60%を超え、
他国が圧倒されるほどの国民からの後押しがありました。
    
イングランドは前回準優勝でありながら、
大会前にエディー・ジョーンズHCが解任される危機的状況から、
伝統の戦い方「これぞ英国ラグビー」の徹底で復調。
北半球唯一のベスト4に残り、
いつもは犬猿の仲のフランス国民も味方についていました。
   
オールブラックスは「史上最弱」との前評判を覆して、
大会中に毎試合ごと、強度と完成度が高まっていき、 
予選で南アを倒した世界1位のアイルランドを僅差で破りました。    
28年前の決勝で南アに敗れており、
その雪辱を果たしそうな勢いがありました。
         
物語性が強いのは南アの対戦チームであって、
良くできた脚本なら、
1点差で勝つドラマを引き寄せるのは対戦チームです。
しかし、南アは滅多に起こらない1点差ゲームを
3試合続けて自分たちのものにしました。   
ドラマを超えたドラマがありました。
        
あのプレーがイエローカードでなかったら…
あのキックが決まっていれば…
あのトライが認められていたら…
敗れた選手たち、ファンたちが心底悔やむ
いくつもの「たられば」…
 
南アにはそれがありませんでした。
1点に笑いました。
この3週間、3戦の後、
南アのファンは気分は最高だったに違いありません。
       
1995年、南アフリカで開催されたラグビーW杯。
「ラグビーで、この国を1つにしたい」  
その前年に南アフリカ史上初の全人種参加選挙で
ネルソン・マンデラ大統領の不撓不屈の思いを汲んで、
南アフリカチームは悲願の初優勝を果たしました。
 
その大会で、日本代表はニュージーランドに145点を取られ、
歴史的な大敗をしました。
28年前に比べると、日本代表は夢のように強くなりました。
2015年のW杯では、南アフリカに勝ちました。
しかし、オールブラックスには、
まだ一度も勝ったことがありません。 
 
4年後のW杯では、なんとか勝って欲しい!
 
できれば、1点差で。 

ブログ 2023/10/10

全国高校 軽音楽部大会 スニーカーエイジ 関東甲信越大会

高校生の軽音楽部(バンド)の大会
『スニーカーエイジ』の関東甲信越大会で、
審査員と表彰式のプレゼンテーターを務めました。 
   
関西では44年前から続いている
歴史のある大会です。 
女優の高畑充希さんも、この大会の出身者です。
   
コロナ明けの今年は、
3年ぶりに有観客での開催でした。

前夜は、ラグビー日本代表の試合を観て、
なんとも言えない重暗い気持ちになり、
朝起きても無気力だったのですが、
学生たちの純粋さと熱量に救われました。

全身全霊で楽器を演奏し、踊り、
魂を込めて歌う学生たちは、
とても眩しく、輝いていて、
何度か目から熱いものが
溢れ出そうになりました。

一方で、
審査の仕事と割り切って、
点数をつけることは難しく…    
苦しい1日でもありました。

苦しんだのは私だけではないはずで、
今年の結果を見ても明らかです。
評価する部分が異なる6名の審査員の合計点で、
4位と5位と6位の学校が同点で全国大会へ。
7位は1点差で涙を飲むという僅差でした。
 
学生たちは、
青春時代に音楽に出会えて、
打ち込めるものに出会えて、
本当に良かった。

音楽の力は、偉大です。
落ち込んでいる時には、
楽しい気分にしてくれて、
悲しい時には、癒してくれます。
絶望の淵に追いやられた時には、
心に火をつけてくれます。

音楽の素晴らしさに浸れた
魂の浄化ができた1日でした。

今回の出場者の中で、
将来、音楽で食べていける人は
ほとんどいないでしょう。

でも、彼らが音楽に出会えて、
生きる力をもらったように、
いつしか彼らが、
“誰かの音楽になれる人” であって欲しい。

高校野球の甲子園、
サッカーの国立、
ラグビーの花園のように、
軽音楽部の全国大会が
3年前から開催されています。

野球部、サッカー部に次いで
部員数が多い部活なのに、
残念ながら、
全国大会の冠スポンサーになってくれる
企業が見つかっていません。

12月26日の全国大会に、
心意気のあるスポンサーがついて頂けること、
未来を奏でる大会が成功することを、
心から祈っています!