ブログ 2024/09/24

スニーカーエイジの審査を終えて

「今度は、君たちが誰かの音楽なる番だ」

というメッセージを発信して開催されている
高校軽音楽部の全国大会
「SNEAKER AGES /スニーカーエイジ」。 

軽音楽部は今や、
野球部・サッカー部に次いで
部員数が多い部活ですが、
これまでは全国大会がありませんでした。

45年前に関西大会が始まり、
女優の高畑充希さんはじめ、
有名になったミュージシャンなども出場。
関東甲信越大会は今年で10年目、
4年前に全国大会が始まりました。

ひょんなご縁でお手伝いをして、
7年前から関東甲信越大会の
審査員の末席を汚させていただいています。

この間、出場校は大きく様変わりしました。
進学校としても名高い神奈川県の厚木高校は、
優勝の常連校で全国大会にも出場しましたが、
今年は予選大会にも出場していません。

代わりに、神奈川県の横浜緑園高校が2年連続で
優勝して、12月の全国大会出場を決めました。
厚木高校にいた顧問の先生が
数年前に横浜緑園高校へ異動になっていたのです。
諸行無常。
栄枯盛衰。

<優勝した横浜緑園高校>

<優勝した横浜緑園高校>

 

神奈川県の大井高校は
2年後に廃校になるそうで、
「高校の名を残したい」と意気込んで
魂の演奏をしました。

存在感を示しながら、翌日の学校のため、
表彰式を待たずに新潟への帰路へ着く上越高校。
顧問の先生、生徒さんと言葉を交わした時、
「これまでで一番の演奏ができた!」と笑う表情は
本当にキラキラと輝いていて、
この大会があって良かったと思いました。

 

映画『フラッシュダンス』。
オーディションに来たダンサーの履歴書を一瞥して、
一列に並ぶ審査員たちは最初、冷ややかな視線を送ります。
しかし、彼女が踊り出すと、
一人、また一人と彼女の踊りに惹きつけられ、
最後には彼女と一緒に踊る審査員も出てきます。
人生が大逆転する大好きなシーンです。
そのシーンはこちら

 

スニーカーエイジも
審査員は一列に並んで座っています。
演奏が素晴らしい時には、本当にリズムを取って、
体が動きはじめる審査員がいます。
今年の審査後、その中の一人が
「審査中に2、3回涙が出ました」と言っていました。
この大会の意義を物語る一言だと思います。

全国大会に出られる学校、
出られなかった学校。
いずれにせよ、高校生の彼らは、
まばゆい青春の光の中を駆け抜けて、
すぐに大人になるのです。
匿名で人を傷つける言葉を浴びせたり、
自分の正義以外は認めない、
そんな残念な大人にはならず、
「誰かの音楽になる」
そんな温かい大人になってほしいと
心から願ってます。