ブログ 2021/10/24

Oka Yasumichi 1956-2020 に行って

『岡康道という人間に出会えてよかった』そう思っていただける時間と空間です。
今一度、岡康道の作品や言葉に触れて、その記憶を心に強く残していただけたら、 きっと岡も喜ぶと思います。

TUGBOATからの案内状には、そう書かれていました。

「おまえが松尾か。
おまえ、ラグビーやってたんだってな」
「はい」
「この土曜、一緒にタッチフットボールをやらないか?」
「タッチフットって、ラグビーのですか?」
「うん。まぁ、似たようなもんだ」

26年前、電通の第4CD局に、
私を含む5人の新入社員が配属され、
その5名の能力開発責任者が、岡さんでした。

初めての会話から数日後、
川崎の河川敷に連れて行かれました。
私がラグビージャージに着替え終わるなり、
「走れ!」と言われて、言われるがままに走ると、
岡さんの放るボールが後らから飛んできたのです。
ビックリしました。
ラグビーでは、ボールは自分の後ろ方向にしか投げてはいけません。
前に投げると反則になります。

岡さんは思いっきりボールを前に投げていました。
それは、私が初めて見た
アメフトのタッチフットボールでした。
「騙された!」と思った時には、時すでに遅し。

それから6年間、平日、週末、合宿の練習で、

「バカヤロー!
ボールを眼で見るな!」

「バカヤロー!
まず、クオーターバックの俺を守れよ!」

理不尽に怒鳴られながら、
みっちりと鍛えられました。

そのおかげで、春と秋に横浜スタジアム、千葉マリーンスタジアムで開催されるタッチフットボール日本選手権に毎年出場し、5度の日本一を経験できました。
関東選抜選手にも選ばれるようになりました。

「それがなんだとしても、
日本一になれる経験って、なかなかできないだろ?
なによりさ、気持ちがいいだろ?」

スパイラルホールでの展示物たちを見ていて、初めて会った日のことを思い出しました。

理不尽で、理路整然で、乱暴で、強引で、優しくて、後輩想いで、女たらしで、人たらしで、冷徹で、人情にもろく、仲間想いで、家族想いで、
そんな岡さんのことが大好きだったのだと、昨日、初めて気づきました。

ForbesJAPANに書いた岡さんに関するコラムです。

このコラムの掲載後に電話した時の会話も想い出しました。

「何人かの人に読んだと言われたよ。
おまえの人生の役に立ったのなら、良かったよ。
今度、小田桐さんとメシ食いに行こうぜ」

ご機嫌であることの重要さを
その大きな背中で教えて頂きました。

岡さんに出会えて、本当によかった。
ありがとうございました。

新人の時に「俺のマネはするなよ」と釘を刺されたので、
タグボートとは違うやり方で、
日本の広告表現を面白くしていきます。