ブログ 2019/06/07

慶早戦には叶わない

慶應義塾大学SFCが30周年を迎えるにあたり、
4月から卒業生14名が
特別招聘教授として講義を行っています。
              
光栄なことに、その1人に選ばれたので、
3ヶ月前から構想を練り、
先に講義をされた方々の内容を見て、
被らないように修正を繰り返して、
数週間に渡って、調べもの、撮影、編集をして、
スライド資料作りも終えて、
動きのテストもして、
「いよいよ明日が本番!」という前日の午後、
運営担当の教授から連絡がありました。
    
「今、慶早戦(慶應ではこう呼びます)がもつれており、
 明日も試合になったら、休講になります…」
     
慶應の伝統で、
慶早戦による休講分は、振替の講義が行われません。
つまり、「どんなに準備をしようが、講義をする機会が無くなる」のです。
     
日本がモスクワ五輪を辞退した時の選手、
春の甲子園出場が決まった後に卒業生の不祥事が発覚して
出場を辞退させられた駒大苫小牧の選手、
その人たちの「やるせなさ」が…
ちょっとだけ実感できた気がしました。
                   
講義テーマのサブタイトルが「人生とタイミング」だったので、
良くできた笑い話になるな…と諦めて、
翌日夕方からの撮影出張の準備をしていたところ、
慶應が勝ったとの報せが入り、
講義は行われることになりました。
      
志望校に不合格だった2週間後に補欠合格の通知が来た時の受験生、
先週、フラれた人から「やっぱり好きだったみたい」と言われた時、
そんな人たちの「でしょ〜!」的な気持ちに、一瞬、なりました。
                          
久々のキャンパスでは、
私が学生の頃には、もやし並みに小さかった木が、
高く見上げるほどの大木に育っていました。
          
卒業の単位がギリギリで、菓子折りを持って挨拶に行った時、
「古典的な手段だなぁ…」と笑って単位をくれた教授が3名もいたから、
今の自分があるのだなぁ…などなど、SFCスピリッツに感謝しながら、
教授たちへ挨拶に行った時と同じくらいの熱量で講義ができました。 
   
講義後には、
「年の離れた恋人と、いつ結婚したら良いと思うか」と相談をされ、
「人生はタイミング」というサブタイトルの妙を感じたのでした。