その②「Light Vortex II」
感覚の旅
4月からは社員が持ち回りで書いています。
今回の担当は、井上です。
今年6月、お台場にオープンした森ビルとチームラボが共同運営する
「チームラボ ボーダレス」は、
世界初のデジタルアートミュージアムで、
週末はチケットが完売するほど大人気です。
このミュージアムのコンセプトは、
「境界のないアートに自らの身体を没入させ、
作品群からできた世界を自らの身体で探索し、
他者とともに新しい体験を創り出す」
約1万㎡の広い空間を、案内もマップもなく
気の向くままに彷徨いながら作品を鑑賞していきます。
約50の展示作品の中から、私のオススメの3つをご紹介します。
その①「呼応するランプの森」
壁も床も鏡張りの空間に、
たくさんのベネチアングラス使用のランプが吊るされていて、
近づくと、ランプの色が変わります。
すると、その隣のランプにも変化が連鎖して、次々に色が変わっていきます。
他の人が変えたランプの色と、自分のそれが重なると、
その瞬間にしか現れない色の混ざりを見ることができます。
鏡の効果によって永遠に続くかのように見えるランプの森。
作品内に入った瞬間に、前後左右の認識が薄まった新たな世界の広がりに、
ため息が漏れます。
四方の壁に無数のライトが設置されていて、
音楽に合わせて一糸乱れずに動きます。
美しい光のラインが、変化を繰り返し、
生き物のような構造物を作り出します。
一斉に全ライトが点灯するシーンでは、
お客さんたちから感嘆の声が上がりました。
複数のプログラムがあり、光の本数も形も変化するので、
ずっと見ていられます。
その③「地形の記憶 / Memory of Topography」
なだらかな起伏のある空間に蓮の葉状のスクリーンが並び、
里山の四季折々の映像が投影されます。
頭よりも高い位置にあったスクリーンは、
進むにつれて、腰の高さに下がってきます。
見上げたり見下ろしたり、振り返ったり、
無限に広がる神秘的な里山に分け入っているかのような感覚にとらわれます。
ここでは、体験したことのない非日常の世界を
どっぷりと味わうことができます。
日頃、便利なデジタルマップやガイドに頼って生活している私には、
自分の感覚だけを頼りに進路を選んで行く行為がとても新鮮で、
動物的な勘を取り戻せたように感じました。
ここには、たっぷりと時間をとって世界観に浸り、
感覚の変化を楽しまれることをオススメします。