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2012/06/12
巨人の四番
先日のプロ野球セパ交流戦でのこと。
9回表に西武ライオンズに同点に追いつかれ、
迎えた9回裏の巨人の攻撃。
1アウト2塁。
この日3安打の坂本が敬遠された。
次は四番の村田だ。
この日の村田は、前の3打席がすべて凡退で、
その雰囲気からして打てそうになかった。
ライオンズの策は順当だった。
しかし、村田はタイミングの合っていない空振りの後、
体勢を崩されながらも同じ球種をとらえ、サヨナラヒットを放った。
ヒーローインタビューでの朴訥な受け答えの中、
「前のバッターが敬遠されましたが、どんな気持ちでしたか?」
という質問に対して、
「巨人の4番を任せられていますから」
と彼は発し、球場は湧いた。
隣りのオジさんは号泣していた。
意地とプライド。
持ち過ぎると、柔軟性を欠き、扱いにくい人と評される。
そして、足りないと、言動に迫力を欠く。
見えないだけに、どれだけ持っていればいいのか。
その分量は難しい。