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2011/09/07
寿司
わずか十数年前、アメリカ西岸や一部のスノッブたちを除き、
寿司を食べることは、
世界では「生で魚を食べる蛮行」とされていた。
ところが、
この数年で寿司は世界で最もクールな食事になった。
築地市場で一番高値で取引された魚が
日本ではない国の寿司屋で食べられる時代が来た。
寿司が変わったのではない。
世界の方が変わったのだ。
目の前のお客さんの舌を唸らせようと、
師匠の技を盗みながら、自分の味を打ち出そうと
腕を磨いてきた日本の寿司職人。
一人の心を動かせるならば、世界は変えられる。
多くの人を喜ばせようとして、
誰一人も、自分をも喜ばせられないことがある。
それは「知りもしない多くの人」に合わせに行ってしまうからだ。
広告クリエイティブの仕事がはらむ危険性だ。
多くの人なんて存在しない。
自分の経験と感性が判断することと、
目の前の人の素直な反応がすべてだ。
それこそが、統計データに勝る生データではないか。
とある仕事で、クライアントの英断があった。
生データを信じて頂いたからだと思う。
こういう仕事は、きっと成功する。
成功させないといけない。
17の夏は、まだ終わっていない。