東京電力管内に本支社を抱える一部の大企業が
夏の電力不足予想に備えて、GW明けからサマータイム制度をはじめる。
そのリストを見ると、圧倒的にメーカーが多い。
立派だと思う一方、
一部の大企業メーカーだけが実施することの弊害が気になる…。
それらの関連企業、下請け企業も一緒にサマータイムを導入しない限り、
その労働者たちにとっては、最悪の夏になりはしないか…。
営業部隊は大口受注先に合わせて1時間早く出勤せざるを得ない。
しかし、その企業以外の仕事がある限り(それが普通)、終業時間は通常通り。
節電でクーラーの温度は高めに設定される。
同じくオフィスが暑いはずのサマータイム大企業の社員が
強制定時退社を理由に下請け企業に細かな作業をふるようになる。
結果、下請け企業は残業が増える。
クーラーの止められた暑いオフィスの中で…。
2003年の夏。
フランスでは6,000人以上が亡くなるほど、世界中で猛暑だった。
日本では、東海村原発事故の影響で、
東京電力管内の原発はすべて停止されていた。
しかし、停電は一度も起きなかった。
あれ?????
あれから8年。
エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などなどで、
節電をうたうエコ家電が家庭に入り、
むしろ各家庭の総消費電力は減ったのではないか?
東電管内の総電力、じつは足りているのじゃないか?
全国一斉ではない個別大企業のサマータイム制度、
果たして善なのか?
この夏、日本の大企業がなすべきは、
各階層の決定権者が自覚をもって素早く決断をすることだ。
世界で揶揄されている「ホワイトカラーの低い労働生産性」を上げるためにも。
酷暑のオフィスから労働者を解放するためにも。
ついでに、節電のためにも。